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執筆者の写真林好子

我が師匠、ラスティ


愛犬の名前はラスティ

彼は私の師匠の一人、いや一匹、いやいや一人。

たまに大胆な行動をとる彼には少々困らされるけど、それでも彼は私の師匠。

彼のすごいところは、バランスがとれているところだと思う。

別の言い方をすると、偏りがないということ。

彼は貪欲でも貧欲でもない。

自分が何が好きかをちゃんと知っていて、自分の人生に喜びを見出している。

執着、諦め、抑圧…、そんな言葉は君には無縁のように見える。

食べ物への欲求とだけは時々戦ってるけど(笑)。

彼は時にとてもワイルドで、時に誰よりものんびり屋だ。

その変貌ぶりには時々驚かされる。

ただどちらのラスティも、内なる声に従っていて、ありのままのラスティだ。

そして、彼は、都会にも田舎にも適応できる柔軟さを持ち合わせている。

もちろん、田舎暮らしの方が性にあってるけど。

彼は普段、自分のことをちゃんとケアしている。

それでいて、ここぞという時は周りのケアを決して忘れない。

そこには自己犠牲も、自己中心(わがまま)も、八方美人も存在しない。

ただ自分も周りも大切にしたいという想いだけが存在している。

彼は一人を楽しみ、集団を楽しむ。

集団が嫌いだから一人でいるのではなく、一人が寂しいから集団にいるのではなく、

一人の時間も仲間と過ごす時間もただ楽しんでいる。

そして、彼はいくつになっても幸せそうだ。

彼の人生を振り返ると、決して幸運の持ち主ではなかった。

子どもの頃、保健所に引き取られ、もう少しで殺処分されそうになった。

我が家に来てからは、数え切れないほどの病気や怪我で獣医さんを驚かせた。

でも彼はいつも復活しては、何もなかったかのように楽しく暮らしている。

年老いた今は、今の彼にあった暮らしをして、その暮らしを楽しんでいる。

彼をみていると、幸せは与えられるものではなく、自分の中で生まれるものなんだと思える。

彼は特別な何かを持ち合わせているわけではなく、いわゆる平凡なキャラクターだ。

でも、彼は確実に自然体でバランスがとれている。

それが私にはスペシャルに思える。

“平凡”というカリスマ。

だからラスティは私の師匠なんだ。


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