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執筆者の写真林好子

師匠からのメッセージ「難しい経験をいっぱいしなさい」


ちょうど一年ほど前、師匠であるロビン・アヴァロン(アレクサンダーテクニーク教師)からかけられたメッセージ。

「(アレクサンダー教師として)難しい経験をいっぱいしなさい」

当時の私はアレクサンダー・テクニーク教師としての活動を今ほど積極的に行っておらず、これから理学療法とアレクサンダーテクニークの両立をどうしていこうかと思案している時期でした。正確に言うと、臆病者の私が顔を出して、アレクサンダー・テクニーク教師として本格始動することを躊躇している時期でした。


そんな時にロビンからかけられたメッセージがこれでした。

ロビンは「自信をもってやりなさい」とか「大丈夫、ちゃんとできるから」とか「成功体験をいっぱい積んで自信をつけなさい」といったことは全く言いませんでした。代わりに、たくさん難しい経験をして、そこから学び成長しなさいといった内容を話してくれました。

あれから一年経ち、教える経験を積み重ねる中で、このメッセージに自分がどれほど助けられ勇気を与えられているか実感しています。

このメッセージをもらうまでの私は完璧主義と保守的な性格ゆえに(え〜!!というブーイングが聞こえてきそうな気もしますが、そんな気質を持っているんです)、教える側は完璧にわかっていないといけない、できないといけないという思い込みを持ち、自分が上手くできることしか教えようとしない、新しいことや苦手なことにチャレンジしない傾向がありました。


でもロビンのメッセージのおかげで、「教える者」は「学ぶ者」であり、「発展途上のチャレンジャー」と自分に言ってあげられるようになりました。


そして、学ぶ者として教え、新しいことにチャレンジすることで学び、生徒さんと共に学ぶ。上手くいったことと上手くいかなかったことの双方から学び成長する、ということを実践するようになりました。


今思うと、私の習慣や性格を知っているからこそ、ロビンがそんなメッセージをかけてくれたのかなと思います。

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ちなみにロビンは、驚くほどよく生徒のことを観察している人でした。


観察したものを通して、個々に必要なものを、適切なタイミングで、適切な手段で教えてくれました。そして、良い教師(良い人)に見られようとすることはなく、いまこの瞬間の生徒に必要なことを、楽しく面白く、時に厳しくシリアスに、そして優しく、カメレオンのようにその色合いを変えながら教えてくれました。


彼女との学びの時間に、今も感謝でいっぱいです。


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