日本での乗馬人口は決して多くありませんが、世界では乗馬を趣味とし、かつアレクサンダー・テクニークを乗馬に活かすため学んでいる方が沢山おられます。
なぜ乗馬にアレクサンダー・テクニーク?と思われるかもしれませんが、個人的にはかなり必要だと認識しています(馬のためにも)。
馬はとても繊細な動物です。
馬は、鞍や足、手(手綱)、あるいは声などを通して騎手から送られてくるメッセージを聞き、それに従って動きます。
もし騎手の手綱を握る手や手首が知らず知らずのうちに緊張していたら、
もし座る姿勢が傾いていたり臀部を緊張させていたら、
もし騎手が自身の動き(ジェスチャー)や存在感(在り方)に気づかず普段の習慣(癖)のまま馬と関わっていたら
馬は誤ったメッセージを受け取ってしまいます。
そして、騎手の誤った動きや姿勢は、馬の動きに悪い習慣(癖)をつけたり、騎手との関係性を悪くしています。
騎手の方は正しい(理想とする)姿勢をよく指導されておりご存知ですが、騎手の中にはその姿勢(形・見た目)を保とうとして色んなところを緊張させ固めている方がおられます。
見た目は理想に近づいているようでも、馬はその緊張を必ず感じているはずです。
そして不快に思っているはずです。
ドシッと馬の上に休んでいながら、伸び伸びと上に広がる背骨、そして馬の動きに連動して自由に動ける安定感と柔軟性を兼ね備えた体幹、
その結果が騎手の方がよくご存知の理想とする姿勢になります。
繰り返し言いますが、見た目、いわゆる姿勢にだけ意識を向けるのではなく、自分の内側で起こっていることに気づくことが大切です。
最初は、ご自身の動きや姿勢がどうなっているか感じるられるよう馬から降りてトレーニングをすることも必要だと個人的には思います。
馬のことを理解することは言うまでもなく大切ですが、同時に己を知る、人の動きを知ることはホースライダーにとって同じくらい大切です。
乗馬に関するオススメの本をご紹介しておきます。
「Centered Riding」
世界各国で読まれており、日本では訳本もでているようです。
この著者のSally Swiftさんは、もともとThe Thinking Bodyを学んでおられましたが、後にアレクサンダー・テクニークに出会い乗馬技術をさらに発展させていったそうです。
ちなみに、彼女にアレクサンダー・テクニークを指導した教師の一人は私の師匠ブルース・ファートマン(当時、マーサ・ファートマンとAlexande Alliance Philadelphia校を運営)です。
当時は一緒にホースライダー向けのワークショップで教えたりしていたそうです。
またSallyの生徒さんの中にはAlexande Alliance Philadelphia校でトレーニングを受けアレクサンダー教師になった方もおられたそうです。
★こちらは日本のセンタードライディングセミナー実行委員の方の記事です。→https://www.facebook.com/centered.riding.j/posts/373306019509664
こちらはホース・トレーナーのBuckさんのビデオ。
英語ですが、映像を見ているだけでも、彼のAmazingな馬との関わり方をみることができます。
言うことを聞かない馬に対してもその原因を馬のせいにせず、人に責任があるとして、馬とコミュニケーションをとっていく姿勢は本当に素晴らしいです。
そして、彼の関わりによって馬がどんどん変わっていく、馬にとっても幸せなことだと思います。
ちなみに、下の写真は私がドイツで騎手の方にレッスンをした時のものです。
ドイツではエリアにもよりますが、牧場がたくさんあって、しかも敷地が広いから見晴らしが良い!!
レッスンをしていても本当に気持ちがいいです♪
馬から降りてレッスンをして、馬に乗って再度レッスン、こんな感じでレッスンを進めていけるのは理想ですね。
日本でも騎手の方にレッスンをしていますが、いまは馬と離れてレッスンをしています。
これはこれでとても大事だなーと思っています。
ただ、もし馬と一緒に、というリクエストがあればそちらもお気軽にお問い合わせください→メール
★個人レッスンのご案内→https://www.alexanderlife-japan.com/blank-1