アレクサンダー・テクニークのレッスンを受けたことがある方はご存知かと思いますが、アレクサンダー・テクニークのタッチ(ハンズオン)は独特です。
とても柔らかくて軽い、という印象があるかと思います。
時々、ほとんど触ってないのになんでこんなに動いたり変化するの?と聞かれたりします。
でもアレクサンダー・テクニークのハンズオンの特徴は単に物理的な柔らかさや軽さということではありません。
私たち教師、少なくとも私がハンズオンの時にしていることの一つは、感覚的に表現すると「自分の神経システムを相手の方にシェアする」といった感じです。
相手に変わって欲しければ、相手を変えようとするのではなく、まずは自分が変わる。
そして、変わった自分の質を相手にシェアする。
つまり、相手に緊張を手放して欲しかったら、まずは自分が緊張を手放す。
相手に空間を感じて欲しかったら、自分が空間を感じる。
相手に意識を広げて欲しかったら、自分が意識の広がりを持つようにする。
そして、それをシェアする。
なので、アレクサンダー・テクニーク教師は教えれば教えるほど、ある意味自分が解放されていくわけです(私はまだまだ修行の身なので、残念ながらいつもそうとは言えませんが、苦笑)。
しかも、
私が変わる→生徒さんにシェアする→生徒さんが変わる→それが私にシェアされる→私が変わる
と戻ってきてるんです。
だから生徒さんが “気持ち〜♪”となると、私も”気持ち〜”となっていて、私自身(アレクサンダー教師)が生徒さんに助けてもらえるという有難い職業なんです。
もちろん、いつも上手くいくとは限らず、我がニョキニョキと出てきて相手を変えようとしてしまったり、ちょっとしたテクニックを使ってしまうこともありますが、それはある意味、小手先でやっているといった感覚です。
繰り返しになりますが、大切なのは自分を変えること、そしてそれをシェアすることです。
特別なことのように感じるかもしれませんが、皆さんも日常でやっていたり、感じていたりします。
例えば、重い雰囲気が漂う会議室に入った途端、自分も重い気分になったり
ステージで緊張しているパフォーマーをみたら、みている方もリラックスできなくなったり、
逆に、いつもキラキラ、朗らかにしている人と一緒にいたら、自分自身も心地よくなったりしますよね。
それと同じです。
みんな、知らず知らずのうちに自分の持つ質を相手とシェアしています(伝えたり、受け取ったりしています)。
ですから、もし相手を変えたいと思ったら、ぜひ自分が変わるところから始めてみてください。
もちろん、相手が変わらないかもしれません。
でもやって損は無しです!!
なぜなら、自分が変わることで、相手を変えたい!!と相手だけに意識を向けていた頃の自分より快適でいるはずです。
そして、快適な自分、いつもと違う自分だと、相手の人の見え方が変わってくるかもしれません。
是非お試しあれ♪