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執筆者の写真林好子

一つの投げかけから始まった学びの旅路

師匠ロビン・アヴァロンが来日中ということで、彼女との思い出について今日も書いてみようと思います。


日本でアレクサンダーテクニークを学び何年かしてから、ロビンの元でアレクサンダー教師になるためのトレーニングを受けることを決めました。 



トレーニング生になって間もなくのこと。ロビンに触れてワークする機会がありました。私は何気に触れてワークをし始めると



ロビンが

「何を思って触れてる?」と。



突然の質問に戸惑いつつ、

「えーっと…、心地良くなってもらおうと思って」

と答えました。



するとロビンは

「ふーん。心地よいね。それも良いけど、今の私はそれに興味がない」と。 



そして、続けざまに

「私は人生を変えたい。心地良くなるだけだったら私の人生は変わらない」と。 



それを聞いて、衝撃を受けた自分がいました。


 

私がアレクサンダーテクニークを学び始めた理由は大きく二つ。

理学療法に役立つ知識や技術を得ること、当時抱えていた不調や不快感を解消すること、でした。



ですから、当時の私にとって、心地良さや楽さに対する価値がとても大きかったのです。

また、アレクサンダーテクニークの”自分を邪魔する余分なことをやめる”というアイデアは、私の中でエネルギー消費を減らすことに重きが置かれ、セーブしたエネルギーをやりたいことに注ぐということには至らず、少しでも楽に生きたいという守りの姿勢でした。

 


そんな私にロビンは、私が作っている枠(思い込みや限界)に対し私自身が疑問を持ち、自身やアレクサンダーテクニークの可能性を再考するきっかけを与えようとしたのだと思います。

それが、ロビンとの学びの始まりでした。



いま、自分の学びの旅路を振り返ると、アレクサンダーテクニークを学ぶ目的も、自分の課題も変わっていることに気づきます。ゆっくりですが自分の現在地が変わっているんだなと、思える自分がいます。 



そして、私の生徒さんがご自身の旅路を進んでいくのをサポートし、時に見守りながら、一緒に喜んだり、悩んだりするのが今の私の人生の喜びの一つになっています。


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